イースタン・プロミス』

とても渋い映画でした. そしてとてもデビッド・クローネンバーグ監督作品とは思えないくらいに格好いい映画でした. ヴィゴ・モーテンセンのモザイクなしで全裸格闘シーンが何かと話題になっていた映画でしたが、個人的にはそのシーンよりも彼の一挙手一投足がとにかく渋くて格好いいと思える映画でした. 『ザ・フライ』を始め、世間に迎合しない映像や気持ち悪い映像を撮らせたらポール・バーホーベン監督と肩を並べるデビッド・クローネンバーグ監督. この映画でもOPから泣かない胎児を大きく見せたり、運転手兼葬儀屋のニコライが遺体の指を切断するシーンもきちんと見せるなど、クローネンバーグ印が満載. 特にサウナでの格闘シーンはこの監督でしか描けないシーンですね. 確かに揺れるリトル・ヴィゴ・モーテンセンが話題になるのも分かりますが、それ以上にナイフで切られた生傷をあれだけ生々しく見せるその悪趣味なところが凄いこと. 単に赤い血を見せるのではなく、赤黒い血が出てくる傷口まで見せる描き方にはある意味参りました. その一方でロシアンマフィアの怖さを、マーティン・スコセッシ監督の乾いたギャング映画とは違い、ロンドンならではの暗くて冷たくて湿った空気の中で銃を見せずに描くことでその怖さをより増幅させてくれるのが巧いこと. ナオミ・ワッツ演じる助産師がマフィアの怖さを顧みず正論ばかりを並べたりことで報復の恐ろしさを観客に想像させたり、寡黙なニコライや饒舌なキリル、そして好々爺を演じるボスのセミオンをそれぞれ違った方法でその怖さを醸し出す演出力も本当に見事でした. 特にニコライの格好よさに関しては『ヒストリー・オブ・ヴァイオレンス』の時以上のものでしたね. 見かけはなたぎ武さんの某外人キャラみたいなんですけど、全身から溢れ出ている「そこでしか生きれない」という不退転の覚悟が、タチアナの日記にあった「死ぬ前から土に埋もれている」という言葉と相まってより渋くて格好いいものに見えてくるんですよね. しかも彼の正体が分かるとその覚悟の重さがより重厚になるところがまた渋い! ラストに関しても全てを描かずというのも潜入捜査っぽく、真実が明るみになるまでは正義も闇の中という男らしさを感じます. そしてこのタイトルも映画を見終わるとその渋さを感じずにはいられません. AppleはiPhone OS 3.1. 本当に鉄のカーテンで遮られたかのように情報の少ない東側、つまり極寒のロシアの地で、この世界でしか生きれないニコライが決めた覚悟という名の自分自身への約束. とてもあの蝿男映画を作り上げた監督とは思えないくらいの渋さと格好よさを感じた映画でした. 深夜らじお@の映画館 は蝿男と聞くと森高千里さんを思い出します. ライフ・イズ・ビューティフル

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